
リ―ホー!ニーハオ!南無パンクロック(@NAMUPUNKROCK)です。
細美武士氏の天才さが分かる、私の大好きな曲について語ります。
偶然出会った「Borderland」のセミアコースティック版
2015年、細美武士を中心に結成されたオルタナティブロックバンド、MONOEYES(モノアイズ)。先日、YouTubeを観ていた時、偶然彼らの楽曲「Borderland」のセミアコースティックライブバージョンを耳にする機会があった。
この曲は、2019年11月6日にリリースされた3rd EP『Interstate 46 E.P.』のトラック3に収録されているが、私が最初に出会ったのはそのライブバージョンだった。アコースティックとはいえ完全なアンプラグドではなく、抑えたバンドアレンジの中で、楽曲本来の美しさや強さが一層際立っていた。
細美武士の音楽的到達点としての「Borderland」
初めて聴いたとき、「これは名曲だ」と心から思った。ELLEGARDEN、the HIATUSというキャリアを経てきた細美武士の音楽的な到達点が、この一曲に凝縮されているように感じた。そして同時に、それは細美一人の力だけではなく、MONOEYESというバンドだからこそ創り出せた世界観なのではないかとも思えた。
セミアコースティックバージョンは、フルアレンジの音源と聴き比べると、むしろこちらの方が「名曲」としての輝きを放っているようにすら思える。余計な装飾を取り払い、楽曲の核に迫るような演奏と歌声が胸を打つ。
このライブ映像は、まだコロナ禍が収束していなかった2020年に行われた「Semi Acoustic Live Tour 2020」のツアーファイナル(Zepp Tokyo)の模様だ。照明の色合いは温かく、演奏するメンバーが甚平姿というラフなスタイルだったのも印象的で、会場には独特の心地よい空気が流れていた。試行錯誤を繰り返しながら迎えたこのツアーの最終日が、その場の空気も含めて「Borderland」という曲をさらに特別なものに昇華させていた。
▶ YouTubeでライブ映像を見る:
MONOEYES “Semi Acoustic Live Tour 2020” Final at Zepp Tokyo
ライブで昇華する楽曲たち──the HIATUS「Twisted Maple Trees」
MONOEYESの話から少し逸れるが、細美武士がもう一つのバンドとして活動しているthe HIATUSにも、ライブでこそ真価を発揮する名曲がある。そのひとつが「Twisted Maple Trees」だ。2009年5月27日にリリースされた1stアルバム『Trash We’d Love』のラストを飾るトラック11に収録されている。
この曲に関しても、最初にアルバム音源で聴いた時は、正直そこまで印象に残らなかった。ところが、2012年に韓国のライブハウス「V-Hall」で行われた公演の映像をYouTubeで観たとき、まるで別の楽曲のように感じられた。演奏の熱量と観客との一体感、そして細美の表現力によって「Twisted Maple Trees」は全く別次元の名曲へと生まれ変わっていた。
▶ YouTubeでライブ映像を見る:
the HIATUS「Twisted Maple Trees」Live in Korea(V-Hall 2012)
この公演では、「Insomnia」も演奏されている。こちらはthe HIATUSを代表する楽曲の一つであり、私は2011年のAIR JAMで初めて生で聴いたことをよく覚えている。細美武士のステージ上での圧倒的な存在感とともに、その一曲が心に深く刻まれている。
音源とライブ、二つの表情
音源で聴くのと、ライブで体感するのとでは、同じ曲でも全く違った表情を見せることがある。「Borderland」や「Twisted Maple Trees」はまさにその好例だ。スタジオで磨かれた音の精密さも良いが、ライブという生の場における躍動感や空気の震えには、何ものにも代えがたい力がある。
終わりに
音楽の真価は、時に偶然の出会いによって気づかされる。YouTubeで偶然出会った「Borderland」のセミアコースティックバージョンのように、音源では見えなかった新たな魅力に触れることができたとき、その楽曲は自分にとってかけがえのない存在になる。
細美武士というアーティストの軌跡と、彼が率いるバンドたちが創り出す音楽。その中に息づく「ライブでこそ完成される名曲たち」の存在を、これからも大切に感じていきたい。

最後までお読みいただきありがとうございました!
好きすぎる神演奏なLive動画って何回でも見てしまいますね(^^♪
written by 南無パンクロック
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