はじめに
「セブンイレブン」と聞けば、日本全国の津々浦々にある、信頼できるコンビニを思い浮かべる方が多いでしょう。
お弁当、スイーツ、コーヒー、公共料金の支払いまで、ありとあらゆるサービスが集約された“生活インフラ”のような存在です。
ところが、日本と同じ看板を掲げながらも、“別次元の進化”を遂げたセブンイレブンが存在します。
それが「台湾のセブンイレブン」です。
タピオカミルクティーや鉄観音などの本格お茶系ドリンクの充実度、店内で注文→受け取りが完結するカフェのような機能、
さらには「茶葉蛋」などローカルフード、そして店舗内外に備えられた休憩スペースまで、まるで“軽食カフェ+コンビニ”といった趣すらあります。
この記事では、日本と台湾、それぞれのセブンイレブンを比較しながら、台湾独自の魅力を紹介していきます。
本格お茶文化が息づく台湾セブンの「タピオカ&ドリンク事情」

台湾セブンイレブン最大の特徴といえば、何と言っても本格的なお茶系ドリンクの豊富さです。
台湾のセブンイレブンには「CITY CAFE(シティカフェ)」のカウンターが併設されており、専用の注文端末で飲みたいドリンクを選ぶスタイルが一般的です。
選べるドリンク(期間限定含む)は以下のようなものがあるみたいです:
- タピオカミルクティー(黒糖・烏龍・ジャスミンなど)
- 鉄観音ラテ・高山茶ラテ
- 紅茶
- 甘さ(無糖〜全糖)、氷の量、ミルクの種類が選べるカスタム式
これだけのバリエーションが、コンビニで、数分で手に入るというのは驚きです。
CITY CAFEのホームページはこちらから(中国語繁体字)
清心福全に見る台湾人の「お茶への情熱」
台湾のタピオカミルクティー文化を語る上で欠かせない存在のひとつが「清心福全(チンシンフーチュエン)」でしょう。
1987年創業の清心福全は、2021年末の報告では台湾全土に約950店舗があることが報じられており、セブンイレブンのドリンクコーナーに影響を与えてきた存在の一つでもあると思います。
注目すべきはその注文スタイルで、以下のようなカスタマイズオーダーが可能です:
- 氷の量(多め・普通・少なめ・なし)
- 甘さ(全糖・7分糖・5分糖・3分糖・無糖)
- ミルクの種類
台湾人にとってお茶などを買うという行為は、「喉を潤すだけでなく、気分を整える日課」であり、セブンイレブンがこの文化に対応するため、清心福全などのスタイルを積極的に取り入れたのは自然な流れだったのでしょう。
日本のセブンイレブンは“堅実型”、でもちょっと物足りない?
一方の日本のセブンイレブンは、非常に堅実で安定感のある店舗運営を続けています。
セブンカフェのホットコーヒー、アイスカフェラテなどはドリップ式で本格的な味わいを提供しており、品質面では非常に評価されています。
しかし、問題は「選択肢の幅」。台湾のようなカスタム可能なメニューや季節限定のお茶系ドリンクの導入は限定的で、ドリンクに“遊び”や“ワクワク感”を求める層にとっては少し物足りないと感じるかもしれません。
台湾セブンのもう一つの名物「茶葉蛋(チャーイエダン)」
台湾のセブンイレブンで必ず目にするものといえば、茶葉蛋。
これは漢方や茶葉の入った香り高いスープで煮込まれたゆで卵で、ふわっと立ち込める八角の香りが食欲をそそります。
価格は1個18台湾ドル前後(約90円)とお手頃で、私が住んでいるところの近所では最近、期間限定で「2個で31台湾ドル」といったお得なセット価格であったこともありました。
店内のレジ横や軽食カウンターでぐつぐつと煮込まれており、つい手に取ってしまう魅力があります。
これが実に美味い!旅の朝食、ちょっとした小腹満たし、おやつにもぴったりで、日本のコンビニのホットスナックとはまったく違う「文化と味わい」が感じられます。
そして、イートインスペースの差にも注目
もうひとつ特筆すべき違いが、「座って飲食できる場所があるかどうか」です。
台湾のセブンイレブンには、比較的小さな店舗でもイートインスペース(休憩席)が備えられていることが多いのが特徴です。
数席~十数席のテーブルセットが設置されており、購入したドリンクや軽食をその場でゆっくり楽しめます。
電源付きのカウンターがある店舗もあり、全体的に台湾のコンビニでは長居することに対して、日本のコンビニよりも寛容度が高いように思います。
これは、日本の「立ち食い禁止」や「店内飲食への抵抗感」とは違い、台湾では“コンビニ=カフェ感覚”が完全に浸透していることを物語っています。
まとめ:台湾セブンは文化体験、日本セブンは安定と効率
両国のセブンイレブンを比較してみると、それぞれに特徴があることが分かります。
日本のセブンイレブンは「早く・正確に・清潔に」といった運営スタイルを徹底しているように見え、信頼度という面では世界に誇れる存在です。
しかし、台湾のセブンイレブンには、“文化体験”としての楽しさや選ぶ喜びがより溢れています。
おわりに:日本にも「遊び心」を期待したい!
日本のセブンイレブンが、台湾のようにもっとお茶文化やカスタマイズ文化に寄り添えば、若年層や訪日観光客にも一層訴求できるはずです。
茶葉蛋やタピオカミルクティー、自由に選べる飲料メニュー、ゆっくり座れる空間。コンビニという枠を超えた“くつろぎ空間”としての在り方に、台湾のセブンイレブンは間違いなく何歩も先を行っています。
台湾のコンビニがこれほどまでに文化的体験として楽しいなら、他の日本系店舗はどうなの?と思うかもしれません。
以前、台湾の桃園にあるニトリとハードオフにも行ってみたのですが、こちらもまた“ほぼ日本”な空間でなかなか面白かったです。

最後までお読みいただきありがとうございました!
台湾セブン優勝!(^^♪
written by 南無パンクロック
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