初期の175R『From North 9 States』に今もグッとくる理由

車中泊旅行 175R
パンクロック
<span class="fz-12px">南無P</span>
南無P

リ―ホー!ニーハオ!南無パンクロック(@NAMUPUNKROCK)です

175R(イナゴライダー)と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは「ハッピーライフ」や「空に唄えば」ではないだろうか。

どちらも175Rを代表する有名曲だ。

でも、自分にとって175Rといえば、もっと前まで戻る。

2001年6月13日にリリースされた、インディーズ時代の4曲入り1stマキシシングル『From North 9 States』。

これが、めちゃくちゃいい。

高校生の頃に聴いて、今でも聴き返したくなる。懐かしいからというだけではなく、今の耳で聴いても曲がいい。

自分にとって、175Rはこの4曲が特別なのだ。


『From North 9 States』――自分が好きになった175R

スケボーのイラスト

『From North 9 States』というタイトルは、「北九州」を英語に置き換えた言葉遊びで、意味としては「北九州から」。175Rが地元・北九州から全国へ飛び出していく、その出発点を思わせるタイトルでもある。

この作品に出会ったのは、高校生の頃だった。たしか、当時の友人から教えてもらった。

メロディがいい。英語で歌っていてカッコいい。音もいいし、演奏も上手い。

そして何より、勢いがある。

当時の自分は、この作品をいわゆる「青春パンク」として聴いていた感覚はあまりない。むしろ、完全に「メロコア」の側から聴いていた。

収録曲は、この4曲。

  1. Freedom
  2. everyday
  3. Change my world
  4. P.R.P

わずか4曲。でも、自分には捨て曲がない。全部いい。

今回、発売当時のBARKSのインタビューを読むと、ボーカルのSHOGOは、この作品には初期の曲が集まり、英語詞の曲ばかりになったと説明していた。

しかも「Freedom」は、175Rが最初に作った曲なのだという。

なるほど、と思った。

自分がずっと好きだったこの4曲には、文字どおり、バンドの始まりの音が詰まっていたのだ。


一番好きなのは「Change my world」

カラフルなCDプレーヤー

4曲ともかなり好きなのだが、強いて1曲選ぶなら「Change my world」。

甘酸っぱいような歌詞と曲調が相まって、勢いがありながらもエモい。

英語の歌も含めて、「ああ、いいな」と思える。

ただ速いだけではなく、泣きメロが、勢いに乗って伝わってくる。

こういう曲を聴くと、当時なぜ175Rに惹かれたのかを思い出す。

初めて聴いた高校生の自分も、今の自分も、この曲の好きなところはあまり変わっていない気がする。


「Freedom」は、高校の文化祭で演奏した曲

そして、もう一曲。「Freedom」。

この曲には、個人的な思い出がある。

高校3年の文化祭の後夜祭で、軽音楽部のバンドで演奏した。自分はギターだった。

だから今「Freedom」を聴くと、単に「昔好きだった曲」というだけではない。

自分たちで実際に演奏した曲でもある。

ちなみに、同じ後夜祭では175Rの「SAKURA」「YOUR SONG」なども演奏した。懐い。

思い返してみると、自分の高校時代と175Rは、かなり結びついている。

好きな曲を聴く。その曲を自分でも演奏したくなる。そして、バンドで音を合わせる。

「Freedom」は、自分にとってそこまで行った曲だった。

もちろん、思い出補正はあると思う。

でも、思い出があるから今も好きなのと、今聴いても曲がいいのは、両方あっていい。

この曲は、まさにそういう一曲だ。

ここで「Freedom」をぜひ聴いてみてほしい💡


「ハッピーライフ」「空に唄えば」より前に戻りたくなる

その後、175Rはさらに多くの人に知られていく。

2002年には「SAKURA」や「YOUR SONG」を収録した1stアルバム『Go!upstart!』をリリース。2003年には「ハッピーライフ」でメジャーデビューし、続く「空に唄えば」とともに大きなヒットを記録した。

『Go!upstart!』も好きだし、「ハッピーライフ」や「空に唄えば」の良さも分かる。売れていったこと自体が嫌だったわけではない。

それでも、自分には『From North 9 States』のほうが断然刺さった。

英語の響き。メロディ。演奏の勢い。

その組み合わせが、当時の自分の好みにぴったりだったのだと思う。

ただ、ここは少し丁寧に書いておきたい。

日本語の曲が増えたのは、メジャーデビュー後に突然始まった変化ではない。実際、2001年のBARKSインタビューでは、SHOGOが日本語で作る曲が増えていることや、言葉の伝わりやすさ、歌う際の感情の入り方について語っている。

自分には、後の175Rほど「青春パンク」や、みんなで歌えるポップな音楽として届くようになった。

でも、それは聴き手である自分の印象でもある。

バンドにとっては自然につながっていた変化の中で、自分が一番好きだった場所が、この4曲だったのだろう。


TOTALFATとNorthern19にも感じた、最初の一枚の強さ

パンクポスター風の女の子ドラマー

こういう感覚は、175Rだけではない。

自分には、他にも「初期がめちゃくちゃ好き」というバンドがいる。その代表がTOTALFATとNorthern19だ。

TOTALFAT『End of Introduction』

TOTALFATなら、2003年の1stアルバム『End of Introduction』。

初めて聴いたとき、

「また新しい、めちゃくちゃカッコいいメロコアバンドが出てきたな」

と思った。

なんとなく西海岸っぽい感じもした。自分の好きな音が、また別のバンドから飛び出してきたようなうれしさがあった。

TOTALFATのソニーミュージック公式プロフィールによると、『End of Introduction』をリリースした当時、メンバーは19歳の秋だったという。あの若さで出した作品だったということにも、今振り返ると驚く。

後のTOTALFATも聴いたけれど、自分にはやっぱりこの一枚が一番刺さる。

「かましてやる!」って思いが、そのまま音になったように感じるのだ。


Northern19『EVERLASTING』

Northern19なら、2006年の1stアルバム『EVERLASTING』。

特に1曲目の「STAY YOUTH FOREVER」が、自分の中では別格だ。

ちなみに、この曲も演奏したことがある。

大学の軽音楽部の夏合宿でやった。今度はギターではなく、自分はドラムだった。

ただし、この曲。

ドラムがめちゃくちゃ速い。そして難しい。

正直、当時の自分はよく叩けなかった(笑)。

それでも、演奏したくなるくらい好きな曲だった。

Northern19は、その後の作品にも好きな曲がたくさんある。それでも『EVERLASTING』を聴くと、やはり特別なものを感じる。

彼らの公式サイトの作品紹介にも「青さ」「熱さ」「哀愁」、そして「初期衝動」という言葉がある。

まさにそれだと思う。

175R、TOTALFAT、Northern19。音はそれぞれ違うけれど、自分が初期の作品にやたら惹かれる理由には、どこか共通するものがあるような気がする。


上手くなったのに、なぜ初期のほうが刺さるのか

エフェクターのイラスト

バンドが活動を重ねれば、演奏や曲作りの引き出しは増えていく。音作りの選択肢も広がるだろう。

それなのに、聴き手としては、なぜか初期作品のほうが刺さることがある。

昔から、これがちょっと不思議だった。

自分なりに思うのは、初期の作品には、まだ自分たちの過去の作品と比べられない強さがあるのではないかということだ。

作品を重ねれば、代表曲ができる。ファンの期待も生まれる。作り手自身も、前とは違うことをやりたくなるかもしれない。

「前作を超えたい」

「同じことは繰り返したくない」

そういう意識は、新しい名曲を生む力にもなるだろう。

ただ、聴いている自分はときどき、

「上手いし、凝っている。でも、なぜか昔ほど刺さらない」

と感じる。

そこで最初の作品に戻ると、

「おおお、これだよ、これ」

となる。

もちろん、これは制作事情を知ったうえでの説明ではない。一人のリスナーとして、そう感じるという話だ。

最初の作品にだって試行錯誤はあるだろうし、後の作品に初期以上の熱量を感じることもある。

それでも、自分が好きな初期作品には、

「やってやる!」

という感じがある。

技術や音質だけでは説明しきれない、音がこちらに飛び込んでくる感じ。

『From North 9 States』を聴くと、今もそれを感じる。


思い出補正もある。でも、それだけではない

もう一つ、変わっているのはバンドだけではない。

聴いている自分も変わっている。

高校生の頃に友人から教わった曲。好きになって、実際にギターを弾いた曲。

そういう音楽と、大人になって初めて聴く作品では、そもそも出会い方が違う。

初期作品が特別なのは、バンドの始まりと、自分がそのバンドに出会った時期が、重なっているからかもしれない。

だから「初期のほうがいい」という感覚を、作品の出来だけで説明するのは難しい。

それでも自分は、『From North 9 States』を思い出だけの棚にしまっておく気にはならない。

今でも「Everyday」や「Change my world」を聴けばめっちゃいいなと思うし、「Freedom」の勢いには引き込まれる。

懐かしい。

でも、それと同時に、今も好きだ。

昔の自分が好きだった音を、今の自分もちゃんと好きでいられる。

それは、けっこううれしいことだと思う。


有名曲だけで175Rを知ったつもりになるのは、もったいない

レコードを選ぶサブカル女子

長いこと音楽を聴いてきて、強く思うことがある。

そのバンドで一番有名な曲が、自分に一番刺さる曲とは限らない。

代表曲から聴くのは、もちろんいい入り方だ。

ただ、そこで「ああ、こういうバンドね」と終わってしまうと、自分好みの曲に出会い損ねることもある。

大ヒット曲より、初期のシングルやアルバムの中の一曲のほうが、圧倒的に好きになる。

そんなことは普通にある。

175Rなら、「ハッピーライフ」や「空に唄えば」から、もう少し前まで戻ってみてほしい。

『From North 9 States』は、たった4曲だ。

まずは「Freedom」。もし気に入ったら、自分が一番好きな「Change my world」も聴いてみてほしいし、「Everyday」もおすすめだ。

そして、できれば4曲を通して。

高校生の頃に友人から175Rってバンドがあることを教わって、文化祭ではコピバンで彼らの曲を演奏した。あれから20年以上経った今も、人に勧めたくなる。

自分にとって、この作品はそういう一枚だ。

やっぱり『From North 9 States』は、めちゃくちゃいい。

みなさんにもありませんか?

「このバンドの初期の作品、今聴いても最高だな」と思う一枚。


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南無P

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

written by 南無パンクロック 

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