
リ―ホー!ニーハオ!南無パンクロック(@NAMUPUNKROCK)です
ELLEGARDENの新曲「Everything I Need」を初めて聴いたとき、サビに入ったところで、「え? 」となった。
そこまでは比較的すんなり聴いていた。メロディもバンドサウンドも、自分の好きな哀愁があるタイプのエルレにつながるものを感じていた。ところが、サビに来て「ん?」となった。
この音の載せ方、どうなってる?😂
新曲は2026年10月13日21時に配信された。公式発表によれば、「Bad For Education Tour II」初日のZepp Fukuoka公演で初披露された曲で、前作「カーマイン」から1年2ヶ月ぶりの新作になる。配信時刻はリリース報道でも確認できる。
自分はその福岡公演に行ったわけではない。ここに綴るのは、配信された曲を聴いた感想である。まだ「最高!」とも「あんまり」とも決まっていない、2026年10月14日の時点での感想になる。
▶ 「Everything I Need」を聴く(公式配信リンク)
エルレの曲が好きで、長らく聴いてきた
エルレのライブには、まだ行ったことがない。すべての作品や動向を追い続けてきたコアなファンでもない。ただ、彼らの曲は長く聴いてきたし、好きな曲も多い。
昔まだそれほど聴いてなかった頃に、友人の車で『BRING YOUR BOARD!!』が流れてきたとき、「エルレって、こんなにカッコいい曲もあるんだ」と感じたことを覚えている。「Surfrider Association」から始まる、あの勢いのある流れだ。
耳に残るメロディーと疾走感のあるバンドサウンド。それに、細美武士氏の声質や、すっと耳に入ってくる英語の歌い方。自分がエルレに惹かれた理由は、一つではない。
大学の軽音サークルでは、エルレ好きなメンバーでコピーバンドもやった。その頃のことは、以前のELLEGARDENを好きになったきっかけを書いた記事にも残している。
細美氏のライブでの演奏を直接観た経験としては、AIR JAM 2011のthe HIATUSがある。筆者のエルレに対する距離感は、だいたいそのくらいのグラデーションだ。
だから今回も、長く聴いてきた好きなバンドの新しい曲として再生した。その耳が、サビでわずかに戸惑った。
サビのメロディーが、予想していたところに来ない
引っかかったのは、「Nothing left to bleed~」から始まるサビ。特に、その冒頭でボーカルのメロディーが伴奏に乗ってくるところだ。
メロディーだけを取り出せば、そこまで変ではないのかもしれない。ところが、ギター、ベース、ドラムと一緒に聴くと、歌が自分の予想していた位置やまとまり方で来ない。演奏全体をどう受け止めればいいのか、一瞬わからなくなる。
もちろん、音を外しているとか、演奏が合っていないという話ではない。自分の耳には、伴奏が作っている流れと、歌の区切れ方が不思議な関係に聴こえる、ということだ。
最初にこの感じを文字化したとき、新譜のサビは、「The Autumn song」のような「タンタン~ タンタン~」ではなく、「ンタッタッタッタッタ~ タタンタンタンタ~」みたいなノリだなと思った。
これで伝わるのかは怪しいけれど(笑)、素直に流れてくると思っていた歌が、思いがけない詰め方で入ってくる感じ。勢いがなくなったという印象では全然ない。勢いはあるのに、歌の載り方がちょっとわからん、という感じだった。
気になったので、GarageBandのキーボードでサビ冒頭を手打ちしてみた。実際に音を置いて、自分が何に引っかかっているのか確かめたかった。
自分が鍵盤で拾った範囲では、音が順に下がって、最後に少し上がる。メロディーの高低だけを見ると、とんでもない跳躍を繰り返しているわけではない。それでも、原曲のバンドサウンドと一緒になると、あの「え?」の感じがやはりある。
録音した音源のテンポも調べてみると、約136 BPMという結果になった。ただし、これでサビの仕組みがすべて解けたわけではない。手打ちのタイミングは原曲の正確な採譜ではないし、歌の各音が伴奏の強い拍にどう重なるかまでは、今回の解析では確定できなかった。
だから、ここで「変拍子だからだ」「特殊なシンコペーションだからだ」と説明を済ませることはできない。
今のところ考えているのは、自分の中で作られていた予想のことだ。サビに来れば、歌がこう流れて、こう収まるだろう。その予想を、サビまでの展開や、これまで聴いてきたエルレの曲から、無意識に作っていたのかもしれない。
音そのものの珍しさだけでなく、自分が待っていた流れと差異のある感覚。それが、あの若干の違和感につながった可能性はある。最初から自然に聴こえた人には、別に何もおかしくないのだろうけれど。
歌詞を読むと、戸惑いの中にも肯定がある
公式の歌詞・日本語対訳も読んでみた。
歌詞では、探しても見つからないものと、それでも自分の内側に残るものが語られる。不公平さや迫る暗闇も消えない。そのなかでサビは、必要なものが今ここにあると繰り返す。
そこで目に留まるのが、サビに出てくる「でもこれでいい」という対訳だ。
こちらはサビを聴いて「これでいいのか?」と少し思っているところで、歌詞の方には肯定する言葉がある。
ただ、歌詞全体を読むと、何もかも片づいて晴れ晴れしているようには感じない。抱えているものがあるまま、己の立っている場所を認め、肯定していく。自分には、そんなふうにも読めた。
そう考えると、「歌詞はけっこう前向きなのに、なぜサビは少し不思議なんだろう」という最初の問いも、少し変わる。肯定する歌だからといって、自分が予想する気持ちよさでサビが流れる必要はないのかもしれない。
とはいえ、それでサビの入り方がすんなり耳に馴染んだわけではない。歌詞の読み方と、実際に音を聴いたときの感覚は、すぐ一緒にはならない。
切れた鎖と、ふと思い出したSTANCE PUNKS
新作のジャケットにも目が止まった。赤い背景に描かれた鎖が、中央でパキッと切れている。切れ目の周囲に散る短い線もあって、ただ鎖を二つ並べた絵とは違う。
束縛から抜け出すことにも見えるし、つながっていたものが断たれることにも見える。何かが切れるという出来事は、解放にも断絶にもなる。どちらかに決めるには、今は材料が足りない。
自分がサビに感じた「ねじれ」と、この切れた鎖を結びつけたくもなる。ただ、それは聴き手の連想だ。ジャケットの意味や、音との関係について、作り手の説明を確認できたわけではない。
それとは別に、曲を聴いていて、昔から聴いてきたSTANCE PUNKSの「ヘドがでるほど青い空」の一節がふと浮かんだ。
ねじれながら前へ行く ずっと夢うつつのまま
出典:STANCE PUNKS「ヘドがでるほど青い空」/作詞:TSURU
真っすぐに進んでいる感じではない。けれど、止まっているわけでもない。サビの歌が不思議な乗り方をしたまま進む、その感覚に、この言葉が重なった。
両曲の音が似ているとか、影響関係があるという話ではない。新しい曲を聴いていたら、前から自分の中にあった別の曲の言葉が出てきた。それだけのことなのだが、音楽を聴いていると、こういうつながり方をすることがある。
細美武士氏の「131曲書いて…」という話が気になる
制作の背景を調べていて気になったのが、9月30日公開の『ROCKIN’ON JAPAN』11月号のインタビュー紹介だった。
公開されている発言では、細美氏は「カーマイン」以降に131曲を書き、ようやく1曲でき、これから録音すると話している。
ただし、その1曲の具体的な曲名は、掲載されていない。ゆえに「Everything I Need」がそれだとは、ここでは断定できないが、或いはそれであるかもしれない。
10月10日のロッキング・オン山崎洋一郎氏による記事では、近年の細美氏の語りが、覚悟と実際の取り組みに重心を移したように感じられると書かれている。こちらは、長く取材してきた山崎氏の受け止め方だ。
こうした話を読むと、あのサビも、何か考えたうえでこの形を選んだのかもしれない、とは思う。でも、本人にとっては自然に出てきたメロディーだった可能性もある。
「Twisted Maple Trees」は、ライブでの演奏で印象が変わった

もう一つ、この曲を聴きながら思い出したのが、the HIATUSの「Twisted Maple Trees」だった。
最初にアルバム音源で聴いたときは、正直、そこまで印象に残らなかった。ところが、韓国のV-Hall公演の映像を観たとき、まるで違う曲のように圧倒的な魅力を感じた。
そのことは、MONOEYES「Borderland」とthe HIATUS「Twisted Maple Trees」について書いた記事にも詳しく残している。自分がその会場にいたわけではない。映像越しでも、それほど受け取り方が変わったという経験だ。
だから「Everything I Need」も、ライブではどう響くのだろうと思う。
演奏を重ねるうちに、歌い回しやバンドの呼吸が変わって、サビが今より自然に感じられるのかもしれない。逆に、この少し不思議に感じる乗り方がそのまま残って、ライブで聴くと強い個性として響くのかもしれない。
まだ、サビのズレ感は残っている
何度か聴いて、少し馴染んでくるかもしれないとは感じている。いわゆるスルメ曲になるのかもしれない。
でも、今ここで「聴き込んだら良さがわかった」と書くのは早い。まだサビは少し不思議だし、最初に感じた「これでいいのか?」が完全になくなったわけでもない。
それでも、その若干の違和感が気になって、また聴きたくなっているところもある。
気になったサビのノリをガレバンの鍵盤で拾ってみて、歌詞を読み、昔聴いたSTANCE PUNKSやthe HIATUSの曲のことを思い出す。それも今回、この曲を聴いて起きたこと。
最初から「最高!」と思える曲ばかりが、記憶に残るわけではない。ただ、この曲がこれから自分にとってそういう存在になるのかは、まだわからない。
いつかエルレのライブを観る機会があれば、このサビが実際にどう響くのか、自分の耳で確かめてみたい。
今はまだ、少し違和感がある。けれど、もう一度聴いてみたい。「Everything I Need」は、自分にとって、今のところそういう曲だ。
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最後までお読みいただきありがとうございました!
written by 南無パンクロック

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