DRADNATS『New Unseen Tomorrow』全12曲の感想(1)

南無パンクロック DRADNATS
南無パンクロック

 今回は、筆者の愛聴している作品でメロコアファンの間でも傑作の呼び声高いDRADNATSの1stアルバム『New Unseen Tomorrow』収録の全12曲について、実際に聴いてみた感想を記してみたい。

1. Find Your Way
 メロコアシーンへ一石を投じる新世代メロコアバンドDRADNATSの1stアルバム『New Unseen Tomorrow』そのオープニングを飾る、挨拶がわりの泣きメロ系メロコアナンバー。遠く彼方へ向かって駆け抜けていくようなこの曲のグルーヴ感は、3人の絶妙なバンドアンサンブルによって生み出されている。かき鳴らされるギター&ベース、疾走感溢れるドラムビート、伸びやかなボーカルメロディー、 それらが交わり重なることで曲に圧倒的な躍動感が加わっている。高速ビートに泣きメロというメロコアサウンドの王道を行くDRADNATSからは、メロコアをリスペクトする彼らの思いが伝わってくるかの様だ。アルバムの第一印象を大きく左右する大事なオープニングで、DRADNATSらしいファスト&グッドメロディーが炸裂している。

2. New Unseen Tomorrow
 アルバムタイトルにもなっている、本アルバムの最重要ナンバーであろう。メロコアナンバーとしては比較的ミディアムな部類に入るくらいの速さで刻まれるビートに、珠玉の泣きメロが乗っかり、キクオさんとヤマケンさんの絶妙なボーカルハーモニーが力強く響き渡る。メロコアファンのハートを鷲掴みにする様なグッドメロディーではないだろうか。DRADNATSのメロディーセンスの高さは言うまでもないが、アレンジセンスについても突出したものを感じざるを得ない。メロディーやバッキングがドラマチックに聴こえてくるのは、彼らの巧みなアレンジングの為せる技であろう。トラック1の『Find Your Way』が前フリのように聴こえるくらい、存在感の強いトラック2である。

3. Spread Both Arms
 圧倒的な疾走感で駆け抜けるDRADNATSらしいグッドメロディーナンバーである。ところどころで聴くことの出来る各メンバーの技ありフレーズからは、彼らの音楽的センスがひしひしと感じられる。曲順に注目しながら聴くと、頭の『Find Your Way』で勢いよく飛び出して、『New Unseen Tomorrow』で緩急をつけて、『Spread Both Arms』で振り切って行くというメリハリの効いた流れになっていることに気付く。

4. Motive
 前のめりなビートを早めたり遅めたりしながらめまぐるしく展開していく、疾走感たっぷりのメロコアナンバーである。入れどころが実に絶妙なビートチェンジと印象的なキメによって、曲に最大限のメリハリが与えられている。抑えるところを抑えることで、サビなどの一番盛り上がるところを引き立て、その勢いを増させしめるDRADNATSのアレンジングセンスはメロコアのお手本の様ですらある。夜のハイウェイを飛ばしながらカーステレオで流したい…そんな雰囲気のある曲である。(つづく)

written by 南無パンクロック 

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