[DRADNATS『MY MIND IS MADE UP』全14曲の感想(1)のつづき]
前回の記事に引き続き、DRADNATSの3rdアルバムに収録されている曲を聴いてみた所感を書き綴ります。
トラック5『Day After Day』
BEAT CRUSADARSに同じタイトルの曲があるのを思い出す…。ビークルのは泣きメロな感じで展開がカッコいいナンバーだった。DRADNATSのはKen Yokoyama氏直系の重厚感あるサウンドが印象的だ。「I’d love to hate more than you(こんなにも嫌いな奴もお前ぐらいだよ)」と歌っていて、相手を嫌いな理由とかわかり合えないことについて、率直な気持ちが歌われている。遠慮なく言い切ってるところにキクオのパンクスマインドを感じた。
トラック6『Sign』
哀愁を感じさせるメロディーとが疾走するビートに乗りながら振り切って行くエモーショナルなナンバーである。メリハリの効いた展開によってサビの勢いはより増している。流れにアクセントを与えているキメの入れ方など、彼らのアレンジセンスの高さが伺える。DRADNATSらしいメロディー性と、どこかKen Yokoyama氏のニュアンスも感じられるビート感を持ち合わせた曲だ。「I can’t see I can’t feel will tomorrow ever come(何も見えない。何も感じない。明日が見えないんだ)」と不感症な心のあり様への葛藤と、けれど、もがいて何か変えてみせるんだという意思が感じられる歌詞である。
トラック7『My Very First Love』
前曲までのバンドサウンドから一転して、アコースティックスタイルで演奏される。アルバムの中でもひと際異彩を放っている曲である。ゆったりしたテンポで鳴らされるアコギの優しげな音色。キクオの伸びやかな歌声とヤマケンのコーラスが響き渡り心地良い。DRADNATSとしてアコースティックな曲をやるのは珍しいようで、この曲を作るにあたってはKen Yokoyama氏からの勧めがあったようである。「悲しい初恋の話」について歌われているが、キクオの実話なのかな?と思わせるような内容になっている。青春時代の甘酸っぱい感じと少年のかわいらしい感情がノスタルジックさを醸し出している。アコースティックな曲が入ることによって、アルバム全体の彩りがより豊かになっているように感じた。Ken Yokoyama氏のねらい通りといったところか。
トラック8『Like Flower』
アルバム前半では駆け抜けるようなメロコアナンバーが続いた。対するこの曲は、どっしりと踏みしめるようなミドルテンポ感が印象的である。DRADNATSらしい抜群のメロディーはこの曲でも如何なく発揮されている。メロコアファンが欲しいところを見事に鳴らしてくるDRADNATSは流石である。「Never give up just start over Like flowers that bloom so strong(けして諦めるな。また一から始めればいい、力強く咲く花の様に)」というポジティブなメッセージが込められている。聴いている人を励ましているようであるし、自分自身を励ましているようでもある。優しくて力強い素敵な歌詞だ。
[DRADNATS『MY MIND IS MADE UP』全14曲の感想(3)へつづく]
written by 南無パンクロック
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