ツネが主役だったハイスタのステージ(SATANIC CARNIVAL ’23)

Love is a Battlefield/Hi-STANDARD(ハイスタンダード) Hi-STANDARD

PIZZA OF DEATH RECORDS主催のサタニックカーニバル2023(2023年6月17日~18日)で、The Gift Extra Tour 2018の沖縄公演(2018年12月27日~28日、ゲストはMONGOL800から数えて、およそ5年ぶり(正確にはおよそ4年半ぶり)となるライブを行った Hi-STANDARD

今年2月、ハイスタンダードのオリジナルメンバーでパンクロック・ラウドロックシーンに多大なる影響を与えてきたドラマーの恒岡章(ツネ)が旅立ち、未だ戸惑いを抱えている人々も多い中で、今回のハイスタのステージには開催前から注目が集まっていた。

会場の幕張メッセにいるファンだけではなく、日本中、世界各地にいるハイスタファンから見守られる中で行われたステージは、蓋を開けてみると、ツネが主役で彼に向けて贈られた、特別な意味を有する追悼ライブであった。

残念ながら会場にいない自分は、ツイッターから現場の情報を得るよりほかなく、「ハイスタ」と検索をしてはずっとスマホに張りついて、ライブの状況を追った。

ライブの直前にベースボーカルの難波章浩がインスタライブに投稿した映像には、大きなスクリーン上に「ハイスタのツネ」の写真が映し出されていた。

SATANIC CARNIVAL ’23 Hi-STANDARD サポートドラマー

事前には公表されておらず、当日発表となった今回のライブでのハイスタのサポートドラマーは、

一人はKen Yokoyamaでドラムを叩くEKKUN(ex. FACT)

もう一人はThe BONEZZAX(Pay money To my Pain)

もう一人はマキシマムザホルモンナヲであった。

前回の記事「ハイスタのサポートドラマーは誰だろうか」でも述べたように、EKKUNがサポートでドラムを叩くかもしれないとは思っていたが、ZAXとナヲが叩くことまでは予想できず、そうであることを聞いた時には少し驚きつつも、そう来たかと思った。

その3人が優れたドラマーであることは知っていたが、一体どのようなステージになるのか気になって気になって仕方なかった。

ハイスタとその3人との共通点として思い当たるのは、当時の状況から十中八九ないとすら思われていたハイスタの復活が実現した、伝説のフェスAIR JAM 2011での共演がある。

横浜スタジアムで開催されたAIR JAM 2011で、ナヲはその時もホルモンのメンバーとしてであったが、EKKUNはFACT(2015年に解散)のメンバーとして、ZAXはPay money To my Pain(現在、表立った活動は少ない)のメンバーとして、ハイスタと初めて共演を果たしている。

このような巡り合わせに、何か運命的なものを感じてしまうのは自分だけだろうか。

サポートドラマーの3人には大きなプレッシャーもあったと思われるが、その役目を引き受けてくれたことを支持しリスペクトするファンは多いと思う。

きっと彼らも、彼らこそハイスタのファンであると思うから、今回のようなバンドの形に様々な意見があることも分かりきっていて、その上で引き受ける決断をしたことが本当に勇敢だと思う。

ZAXにおいては、PTPの時に今回のハイスタのメンバーと同じ経験をしていて、思う所が大きかったであろうことは言うまでもなく、また同じ過去を持つDRAGON ASH降谷建志も、前日のライブのMCでハイスタやファンたちを気遣う言葉を送っている。

ハイスタのステージが始まったあと、会場からツイートされる情報は断片的なものとなった。

それは会場のオーディエンスにとって、ハイスタのステージが目を離すことのできないものであったことを物語っていた。

ステージが終わったあと、ツイッター上はハイスタのステージがとても感動的であったという話題で溢れかえった。

SATANIC CARNIVAL ’23 Hi-STANDARD セットリスト

会場のオーディエンスからの報告によると、ハイスタのセットリストは以下のようであった。

 1. START TODAY
 2. STAY GOLD
 3. FIGHTING FISTS, ANGRY SOUL
 4. CLOSE TO ME
 5. I’m A RAT
 (1から5まで、EKKUNがサポートドラム)

 6. ANOTHER STARTING LINE
 7. MY HEART FEELS SO FREE
 8. THE GIFT
 9. BRAND NEW SUNSET
 (6から9まで、ZAXがサポートドラム)

 Lovin’ you横山健の弾き語り、アメリカの歌手ミニー・リパートンの70年代の名曲カバー)

 10. Can’t Help Falling in Love
 11. NEW LIFE
 12. MAXIMUM OVERDRIVE
 13. DEAR MY FRIEND
 (10~13まで、ナヲがサポートドラム)

ナヲはステージに出てきた時から泣いていたようで、それはオーディエンスももらい泣きする人が多かっただろう。

MCでは、フロントマン二人の彼ららしい空気感がこれまでのライブと同じようでもあったが、やはりいつもよりも特別な雰囲気があったと思われる。

ラストのDEAR MY FRIENDの時には、ツネの(モッシュピットでファンらに支えられて楽しそうにしている姿などの)写真が大きくステージに掲げられる演出もあったと聞き、最もツネに向けて贈られたライブであったのだと納得して、胸が熱くならずにはいられなかった。

どのような結果になるのかは、やってみなければ誰にもわからない状態で行われた今回のステージであったが、それはハイスタとファンたちにとって決して忘れることのできない、伝説的なステージとなった。

会場に行ってその光景を見ることができなかった多くの人たちがきっとそう思うように、いつかその一部始終を映像で拝みたい。

written by 南無パンクロック 

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コメント

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