Fat Mikeが作った「I’M A RAT」とMe First And The Gimme Gimmersがカバーした「リンダ リンダ」

Fat Wreck Chords盤『I,m a Rat』 Hi-STANDARD
Fat Wreck Chords盤『I,m a Rat』

Fat Mikeが作詞作曲したHi-STANDARDの新曲

2023年4月19日にデジタルシングルとしてリリースされたHi-STANDARD(ハイスタンダード)の新曲「I’M A RAT(アイム・ア・ラット)」を聴いた。

作詞作曲は、アメリカのメロコアバンドNOFX(ノーエフエックス)のベースボーカルで、Fat Wreck Chords(ファット・レック・コーズ)のオーナーでもあるFat Mike(ファット・マイク、本名はMichael burkett)で、ファット・マイクがハイスタに曲を提供するのは初めてのことである。

初めて聴いた時、正直に言ってそれが期待値を上回るものだったので、少なからず衝撃を受けた。

歌詞は全英語詞であるが、YouTubeに公開されているビデオクリップ(イラストは、横山健が自らデザインした)には、日本語訳が付されており、それを読んでみると歌詞に込められたメッセージ性の強さが感じられるのである。

タイトルのネズミは、MouseではなくRatと表記されているので、もし中国語に訳するのであれば家鼠(jiā shǔ)ではなく褐鼠(hè shǔ)であり、日本語ならばハツカネズミではなくドブネズミである。

THE BLUE HEARTS「リンダ リンダ」のカバー

ふとそのことを思った時、THE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)の「リンダ リンダ」で、ボーカル甲本ヒロトが「ドブネズミみたいに、美しくなりたい」と歌う冒頭の詞が思い出された。

実は Fat Mikeが参加しているアメリカのパンクロックバンドMe First And The Gimme Gimmes(ミー・ファースト・アンド・ザ・ギミー・ギミーズ、略してギミーズ)では「リンダ リンダ」をカバーしたことがある。

そのカバーは、ギミーズが2011年秋の日本ツアーに合わせてリリースした6曲入りミニアルバム『SING IN JAPANESE(2011年9月13日リリース)のトラック6に「Linda Linda」との表記で収録されている。

ギミーズは、2011年9月18日に横浜スタジアムで開催されたAIR JAM 2011に出演しており、その日その場所にいた筆者は彼らのライブを観た。

今から10年以上前のことなので、その日ギミーズが何の曲を演っていたのかほとんど覚えていないが、たしかに「リンダ リンダ」を演っていたのだけは強く印象に残っている。

ギミーズのライブは、バンドの雰囲気やアメリカ人の歌う日本語がコミカルで、終始楽しい雰囲気のステージだった。

大トリのHi-STANDARDのライブ中、「WAIT FOR THE SUN」の時にファット・マイクが脇から入って来て、ステージの真ん中で一緒に歌ったりハイスタメンバーと楽しそうにしていた姿も忘れられない。

ちなみに『SING IN JAPANESE』に収録されている6曲は、すべて日本人アーティストの楽曲のカバーで、歌詞は英語訳ではなく日本語のままでカバーされている。

このようにリンダ リンダのこともよく知っていたFat Mikeだから、もしかしたら狙ってドブネズミを歌詞のテーマとした「I’M A RAT」を、昔から親交のあるハイスタに、満を持して提供したのかもしれない、と妄想した。

Pro co社製RAT

(ちなみに、ギタリストにはお馴染みのProcoエフェクターのRATディストーションも連想された…)

I'm a Rat(アイム・ア・ラット)/Hi-STANDARD(ハイスタンダード)/Fat Wreck Chords(ファット・レック・コーズ)
Fat Wreck Chords盤「I’m a Rat」

2023年6月15日には、YouTubeのFat Wreck Chordsオフィシャルチャンネルから、ファット・マイクの漫談(英語)とストリングスバージョンの「I’m a Rat」を収めたビデオクリップがアップロードされた。こちらも必見である。

新曲を聴いて率直な感想

この作品のサウンド面について感想を述べると、全体的に音質がいい塩梅で、楽器と歌との(音量の)ミックスバランスもまた抜群だ。

ドラム恒岡章(ツネ)の勢いのある2ビートを筆頭に、非常に疾走感があり、またメリハリの効いた曲展開は流石ハイスタである。

制作にただならぬ気合いを感じ、非の打ち所がなく、完全に仕上がっている。と思ったが、はてさてハイスタフリークのリスナーたちはどう思っただろうか。

written by 南無パンクロック 

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コメント

  1. Bothok Laron より:

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