通っている大学に、音楽好きでエレキギターを弾くのも上手い先生がいる。
その先生から原子力問題とロックミュージックに関する話を聞くことがあった。
普段その先生の専門分野は日本文化の方面だけど、原子力問題にも関心があるようでそのことを話したかったらしい。
原子力問題は、巷の反対運動でも叫ばれているように、いろいろと問題をはらんでいるのものと思われるが、その先生は「そもそも原子力問題ってなんだか嘘くさい。それは肌で感じる」と言っていた。
忌野清志郎の問題提起
先生は原子力問題に関連して、ミュージシャンの忌野清志郎のことを話していた。
清志郎といえば、彼のいたRCサクセションの代表曲「雨上がりの夜空に」が思い浮かぶくらいで、全然詳しくはないけど、彼がアーティストをはじめとして多くの人からリスペクトされている人物であることはなんとなく知っていた。
元THE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)の甲本ヒロトも清志郎と親交があったようだ。
若い頃から清志郎は原子力に対する問題意識を強く持っていたようだ、と先生は話していた。
原子力問題に対して、清志郎は自身のフィールドであるロックンロールで問題提起した。
彼は、イギリスのロックバンドThe Who(ザ・フー)の楽曲をカバーして、そこに原子力問題に対するメッセージを歌詞として乗せた。
その大学の先生は、清志郎の原子力発電に対する問題提起が込められたアルバム『カバーズ』を持って来ていて、実際に曲を聞かせてくれた。
難波彰浩とSTANCE PUNKSへ与えた影響
清志郎がカバーした「サマータイム・ブルース」を聞いて、福島の問題が起きた後にHi-STANDARD(ハイスタンダード)の難波章浩が、原子力問題に対するのメッセージを込めてこの曲を再カバーしていたのを思い出した。
このアルバムは当時発売が出来なくなった、と先生は話していた。興味深い話である。
また、実はこの『カバーズ』は福島の問題が起きた後に売れている、とも話していて「実際に問題が起きた後に売れたって清志郎は嬉しくないだろう」とも語っていた。
また、清志郎はタイマーズというバンドでも「原発賛成、原発賛成」「原発賛成って言ってればいいんだろう」と歌っていて、この曲も原子力問題に対する憤りが表現されている。
自分はというと、福島の問題が起きるまで原子力問題に対する関心はあまりなかった。
ハイスタの難波彰浩が、清志郎の「サマータイム・ブルース」を再カバーしている様子を見て、清志郎が原発問題のメッセンジャーだったことを初めて知った。
日本語パンクロックのSTANCE PUNKSにも「原発ソング」という曲がある。
この曲を初めて聞いた時は、清志郎のことがすぐに思い出された。
原子力発電に対する疑問符が、今も昔もロックアーティストたちによって発信され続けている。
written by 南無パンクロック
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