
リ―ホー!ニーハオ!南無パンクロック(@NAMUPUNKROCK)です
台湾のラジオを聴いていて、突然「おっ」と耳が止まった。
中国語のリスニング練習も兼ねて、私がよくiPhoneで流している「中廣流行網 i like radio」。台湾の曲だけでなく、日本や欧米の音楽も流れるので、思いがけない発見がある。
BUTTER RIOTも、そんなふうに偶然出会ったバンドだった。
「おっ、このバンドいいな。好きな感じの音だ」
気になったので、Radios.twの中廣流行網のページから流れていた曲を調べ、バンド名を知り、YouTubeでほかの曲も掘ってみた。
当たりだった🤘
BUTTER RIOTは、台湾・高雄発の4人組パンクバンド。公式プロフィールには、影響を受けたバンドとして日本のELLEGARDENの名前も挙がっている。
さらに調べると、高校時代の前身バンド「八德路人」、滅火器 Fire EX.のメンバーによる作品制作、SpecialThanksやEGG BRAINとの共演までつながってきた。
これは、日本のパンク好きにも紹介したい。
まず聴いてほしい曲から、1stアルバム『My Paradise』とその背景まで、私が惹かれた理由を交えて紹介する。
まず聴いてほしい「走 Run Away」と「Punk Rock Paradise」

BUTTER RIOTを初めて聴く人に、まずおすすめしたいのは「走 Run Away」だ。
ラジオで最初に耳にした曲ではないと思う。でも、いろいろ聴いてみた結果、今のところ私が一番好きなのがこの曲。所以、まずはこれを聴いてほしい。
BUTTER RIOT「走 Run Away」公式MV
そして、私がラジオで聴いたのもおそらくこの曲ではないか、と思っているのが「Punk Rock Paradise」。聴いたとき、歌詞に「Paradise」のワードが入っていた記憶があった。『My Paradise』の1曲目である。
BUTTER RIOTの音は、ギターが前に出ていて勢いもある。でも、最後にはメロディーが耳に残る。明るさの中に少し切なさがあり、青春っぽいけれど、きれいに整いすぎてもいない。
ラジオから突然流れてきたとき、私のアンテナが「好きな感じの音だ」と反応したのは、たぶんこのあたりだ。
▶ 「Punk Rock Paradise」公式MVをYouTubeで観る
まずはこの2曲を聴いてみてほしい。あと「Good Morning My Friend」も王道メロコアでカッコいい。気に入ったら、『My Paradise』をフルで聴いてみるのもおすすめだ。
BUTTER RIOTのプロフィールとメンバー
火氣音樂の公式プロフィールによれば、BUTTER RIOTは2020年結成。メンバーは全員2004年生まれだという。
| メンバー | 担当 |
|---|---|
| 古皓宇 | ボーカル/ギター |
| 張智惟 | ギター/コーラス |
| 黃尚棋 | ベース |
| 張柏奕 | ドラム |
始まりは、古皓宇が高校時代に参加していた「熱音社」。日本でいう軽音楽部に近い活動だ。そこに他校のメンバーらが加わり、2022年に現在の4人編成となった。
影響源として挙がっているのは、ELLEGARDEN、Green Day、X JAPAN、Guns N’ Roses。
日本と欧米、パンクとハードロック。その幅も面白い。公式紹介では、日本のパンクのメロディー性と、アメリカのパンクの衝撃力を併せ持つバンドとして説明されている。
私が感じた「勢いがあるのに、メロディーが残る」という印象にも、なるほどと思う。
前身バンド「八德路人」――10代ですでに作品を発表していた

BUTTER RIOTを掘っていて、特に面白かったのが前身バンドの存在だった。
現在の名前になる前は、「八德路人 The Passerby 8」として活動していた。その記録は、台湾の音楽プラットフォーム・StreetVoiceに残っている。
2022年には、10曲入りの『路口』を発表。現在は『路口(2022 Live Session)』というタイトルで聴ける。
詞曲は古皓宇、編曲は八德路人。クレジットに並ぶのも、現在のBUTTER RIOTと同じ4人だ。作品ページには、2022年7月24日、高雄の百樂門酒館でのリリースライブの告知も残っている。
つまり、10代の時点ですでに曲を書き、10曲の作品をまとめ、地元のライブハウスでレコ発を企画していた。
さらに2024年には、八德路人名義でシングル「迴圈」も発表している。
「若い新人バンド」という紹介だけでは見えてこない時間が、この4人にはある。高校時代から自分たちで曲を作り、活動を続けてきた。その先に、BUTTER RIOTという現在の名前があるのだ。
1stアルバム『My Paradise』は、八德路人時代からの集大成
2026年1月23日にデジタルリリースされた『My Paradise』は、BUTTER RIOT名義での1stアルバム。CDも発売されている。
火氣音樂の公式販売ページに掲載された収録曲は、次の10曲だ。
- Punk Rock Paradise
- 走 Run Away
- 迴圈 Vicious Cycle
- Always Worth
- Good Morning My Friend
- 海邊的你 Other Side
- Empty Me
- 路口 Intersection
- 少年 RIOT
- 你的力量 One Half
ここで、八德路人時代を知っていると面白いことに気づく。
「海邊的你」「Empty Me」「路口」は、2022年の『路口』にも収録されていた曲だ。「迴圈」にも、2024年の発表という前史がある。
公式のアルバム紹介にも、新曲に加えて「舊曲新編」、つまり旧曲の新アレンジを収めたことが明記されている。
『My Paradise』は、改名後に作った新曲だけを並べた作品ではない。10代の自分たちが書いた曲を引き継ぎ、新曲とともに、現在のバンドの作品として提示したアルバムでもある。
そう考えると、「1stアルバム」という言葉が少し違って見える。
高校時代も、地元のライブハウスも、八德路人として過ごした時間も抱えたうえでの、
「これが今のBUTTER RIOTです」。
私はこのアルバムを、そんな一枚として受け止めている。
プロデューサーは、滅火器のドラマー・柯光

『My Paradise』の制作で重要なのが、柯光(KG)の存在だ。滅火器 Fire EX.のドラマーで、EmptyORioでも活動する彼が、アルバムのプロデュースを担当している。
両者の制作上の接点は、2025年の高雄市の青年音楽育成事業「高速青春」でも確認できる。
高雄市青年局の発表によると、BUTTER RIOTは柯光と「Good Morning My Friend」を制作。友人の語り口で、勇気や寄り添う気持ちを表現した曲だという。
そして、この曲は『My Paradise』にも収録された。
台湾の先輩世代とのつながりが、作品そのものに刻まれている。日本のパンクとの共通点に惹かれて聴き始めた私には、この台湾側の流れも興味深い。
ELLEGARDENとの接点――「RIOT」と、2004年の「Supernova」
BUTTER RIOTがELLEGARDENから影響を受けていることは、公式プロフィールに明記されている。
疾走感があり、ギターがストレートに響き、メロディーには少し青さや切なさがある。エルレ周辺の音楽を聴いてきた人なら、BUTTER RIOTにも引っかかるものがあるのではないかと思う。
しかも、バンド名には「RIOT」
エルレ好きとしては、アルバム『RIOT ON THE GRILL』や、収録曲「BBQ Riot Song」をつい連想してしまう。
「そのRIOTにも、反応しちゃうんだよな」
という感じだ。
もちろん、バンド名がエルレに由来するかどうかは分からない。ただ、影響源として名前を挙げていると知ると、そんなところまで気になってくる。
生まれた年の曲が、海を越えて届いている
もうひとつ面白かったのが、2004年という共通点だ。
BUTTER RIOTのメンバーが生まれた2004年、ELLEGARDENは『Pepperoni Quattro』を発表した。公式通販の作品情報による発売日は5月26日。その1曲目が「Supernova」だ。
そして、2026年1月9日の高雄・百樂門酒館公演について、Setlist.fmの投稿記録には、BUTTER RIOTがエルレの「Supernova」をカバーしたと記されている。
これはユーザー投稿なので、公式の演奏記録とは区別する必要がある。それでも、彼らが公言する影響源と重なる、気になる記録ではある。
自分たちが生まれたころの音楽が、海を越えて届く。そして、その世代がバンドを組み、自分たちの音を鳴らし始める。
私が昔から好きだった音楽と、今の高雄の若いバンドがつながっている。そこに、懐かしさだけではない面白さを感じる。
SpecialThanks、EGG BRAINとも高雄で共演

日本のバンドとの接点は、影響源の話だけでは終わらない。
2026年4月2日、高雄のLIVE WAREHOUSEでは、SpecialThanks × EGG BRAIN × BUTTER RIOTによる「Don’t Think, Feel It. Vol.1」が開催された。
高雄流行音樂中心の公演紹介では、2000年代の日本のメロディック・パンクから、2020年代の台湾の新世代へと続く流れが打ち出されている。
SpecialThanksは2005年、EGG BRAINは2007年結成。BUTTER RIOTのメンバーが幼かったころから活動してきた日本のバンドと、高雄の若い4人が同じ公演に名を連ねる。
影響を受けて聴いていた音楽の世界に、自分たちも演奏する側として加わっていく。そんな場面が、具体的なライブとして見えてくるのがいい。
高雄で積み重ねてきた時間も、聴いてみたい
BUTTER RIOTへの入り口として、ELLEGARDENは分かりやすい。
ただ、掘っていくと、それだけでは収まらない背景が見えてきた。
高校の熱音社で始まったバンド。八德路人として発表した作品。百樂門酒館という地元のライブハウス。柯光とともに取り組んだ制作。そして、日本のバンドとの共演。
そうした経験が、今の4人の音につながっているのだと思う。
公式紹介によれば、『My Paradise』というアルバム名は、1曲目「Punk Rock Paradise」から取られたもの。美しさと混沌が共存することや、自分の楽園へ逃げ込みたい気持ちと、前へ向かう熱を重ねているという。
ここからは私自身の受け止め方だけれど、彼らの歩みを知ると、その「Paradise」は完成した場所というより、少しずつ作っていく居場所にも思えてくる。
好きな音楽を追いかけ、曲を書き、人と出会い、次のステージへ進む。
その途中にいる4人が鳴らす『My Paradise』だからこそ、背景を知ったうえでもう一度聴いてみたくなる。
BUTTER RIOTを聴くなら、この順番で

これから聴く人には、こんな順番をおすすめしたい。
- 「走 Run Away」――めっちゃいい。ヘビロテ曲。
- 「Punk Rock Paradise」――どことなくグリーンデイを感じる。
- 「Good Morning My Friend」――メロコア好きならグッと来るはず。
- 『My Paradise』全曲――気に入ったら、曲順どおりに。
- 八德路人時代の『路口』――さらに掘りたくなったら、10代の音まで遡る。
2026年9月現在、11月開催の火球祭 FIREBALL Fest.にも出演が予定されている。これから先、どこまで大きくなるかは分からない。けれど、今のうちに「台湾にこんなバンドがいるよ」と紹介しておきたい。
私の入り口は、iPhoneのラジオアプリ台灣電台から偶然流れてきた一曲だった。
気になって調べ、YouTubeを掘った。
当たりだった🤘🤘
その先に、高校時代から続くバンドの物語まで見つかった。こういう出会いがあるから、海外の音楽を掘るのは本当に面白い。
BUTTER RIOT。これからも追いかけてみたい。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!
written by 南無パンクロック


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