Hi-STANDARD『Screaming Newborn Baby』感想|再始動の衝撃と全6曲

Hi-STANDARD『Screaming Newborn Baby』のCD裏ジャケット、ブックレット、帯を並べて撮影した写真。裏ジャケットには全6曲のタイトルが記載されている。 Hi-STANDARD
『Screaming Newborn Baby』
<span class="fz-12px">南無P</span>
南無P

リ―ホー!ニーハオ!南無パンクロック(@NAMUPUNKROCK)です

2025年11月26日、Hi-STANDARD(ハイスタンダード)が6曲入りの2ndミニアルバム『Screaming Newborn Baby』をリリースした。

CD媒体としては、2017年10月に出された4thフルアルバム『THE GIFT』以来、約8年ぶりとなるリリースであった。

この新作のことを考えると、まず思い出すのは、発売の約2か月前に見たハイスタのYouTube生配信だ。

新ドラマー・ZAXの正式加入、新作の発売、そしてメンバー3人による生演奏。自分はその配信をほぼリアルタイムで見ていたのだが、次々と明らかになる内容に、とても驚いた。

中でも印象に残ったのが、そこで初めて聴いた新曲「Song About Fat Mike」である。

聴いた瞬間に、めちゃくちゃカッコいいと思った。

その後、滞在先の台湾からCDを予約し、帰国してからようやく全6曲を聴いた。いち早く好きになった曲もあれば、今回、制作の背景を知って聴き直した曲もある。

あの配信の衝撃から、実際にCDを手にするまで。自分の記憶も交えながら、『Screaming Newborn Baby』の感想を書いてみたい。


2025年9月24日、ZAX加入と新曲披露の衝撃

2023年2月、ハイスタ結成当初からのメンバー、Drumsのツネさん(恒岡章氏)が旅立たれた。

Hi-STANDARDは、一体どうなっていくのだろう。

そう思いながら動きを追っていた自分にとって、2025年9月24日は大きな一日であった。

PIZZA OF DEATH RECORDSの公式YouTubeチャンネルで行われた「Announcement from Hi-STANDARD」。この生配信で、The BONEZなどで活動するドラマー・ZAXの正式加入が発表された。

それまでサポートドラマーを迎えてライブを行っていたハイスタが、正式な新メンバーとともに動き出す。しかも、すでに新作の発売まで決まっているという。

驚いている間に、新生ハイスタ3人による演奏も始まった。

披露されたのは、「MAXIMUM OVERDRIVE」「Song About Fat Mike」「Dear My Friend」の3曲。聴き慣れた曲と、はじめて聴く新曲が、同じ配信の中で演奏された。

「Song About Fat Mike」を聴いた瞬間、これからリリースされるハイスタの新作が一気に楽しみになった。

演奏のあと、ギターのKenさん(横山健氏)が「すごい曲だ」と言っていたのも印象に残っている。

新生Hi-STANDARDへの期待、そしてはじめて聴いた時からグッと来た新曲。

一ファンの自分にとって、あの日のハイスタ配信はそんな体験であった。

▶ Hi-STANDARD公式YouTube生配信「Announcement from Hi-STANDARD」


台湾からAmazonで予約したCDと、特典のB2ポスター

生配信では、ミニアルバム『Screaming Newborn Baby』が11月26日に発売されることも発表された。

当時、自分は台湾に滞在していた。そのため、CDはAmazonで予約し、日本の実家に届けてもらうことにした。予約した商品には、特典のB2ポスターが付いていた。

発売日に手元で開封することはできず、実際にCDを手にして聴いたのは帰国後だった。

配信で新曲を聴いてから、予約し、ようやく一枚の作品として聴くまでには、少し間があった。その時間も含めて、このCDは自分にとって記憶に残る一枚になっている。

特典のB2ポスターは、今も部屋に貼ってある。

Hi-STANDARD『Screaming Newborn Baby』のAmazon予約特典B2ポスター。叫ぶ赤ちゃんのイラストと発売日が描かれている。
Hi-STANDARD『Screaming Newborn Baby』特典B2ポスター

発売日と収録曲

  • 発売日:2025年11月26日
  • 発売元:PIZZA OF DEATH RECORDS
  • 形態:2ndミニアルバム(全6曲)
  • 品番:PZCA-119
  1. Song About Fat Mike
  2. Our Song
  3. Moon
  4. A Ha Ha
  5. Book Of Revelation(The Mr. T Experienceのカバー)
  6. Stand By Me

全6曲入りのミニアルバム。聴いて好きになった理由は、曲ごとに少しずつ違う。

ここからは収録順に、自分が聴いて感じたことを綴ってみたい。制作背景については、PIZZA OF DEATHの公式インタビューも参照した。


『Screaming Newborn Baby』全6曲の感想

Song About Fat Mike|初めて聴いた瞬間から、一番好きな曲

今回の6曲で、一番気に入ったのが「Song About Fat Mike」だ。

Hi-STANDARD – Song About Fat Mike

駆け抜けるような疾走感があって、メロディーも抜群にカッコいい。生配信で聴いたときに惹かれたのも、まずはその勢いとメロディーだった。CDで聴き直しても、その印象は変わらなかった。

曲名に登場するFat Mikeは、アメリカのパンクバンドNOFXのフロントマン。Hi-STANDARDが海外へ活動を広げて行く中で、大きな影響を与えた人物だ。

公式インタビューによると、この曲はNOFXに捧げる曲を作ろうという会話から生まれ、イントロではNOFXの「Linoleum」を意識したという。歌詞はKenさんが担当し、Fat Mikeに向けて書かれたものだ。

その話を知ると、新生ハイスタの最初の作品が、この曲から始まることにも味わい深さを感じる。

ZAXを迎えて新たに動き出すハイスタが、長年繋がってきた縁ある人に向けて、新しい曲を作る。過去から続く関係が、今の音楽になる。

自分は最初、その背景をよく知らずにこの曲を好きになった。あとから制作の話を読むことで、最初の「カッコいい」に、もう一段深みが加わった。

今も、この一枚でまず聴きたくなるのは「Song About Fat Mike」である。


Our Song|今のハイスタが歌うから、響くものがある

2曲目の「Our Song」も、今回のミニアルバムで気に入っている曲だ。

2025年10月には全国のCDショップで先行試聴が行われ、発売前日の11月25日にはミュージックビデオも公開された。

Hi-STANDARD – Our Song

楽曲についての公式説明では、困難を経ても再び立ち上がろうとする姿勢と、日々の現実に向き合う人たちへの励ましが語られている。

ところで、「Our Song」というタイトルには、ちょっと興味深い話がある。

実はベース・ボーカルの難波さん(難波章浩氏)は、2007年に大沢伸一氏が発表した同名曲「Our Song」で、作詞と歌唱を担当している。この曲はクラブミュージックの世界でも親しまれ、2024年にはExWHYZによってカバーされた。

ExWHYZ版は大沢伸一氏自身がプロデュースを手がけており、ミュージックビデオも公開されている。

▶ ExWHYZ「Our Song」(Prod. Shinichi Osawa)公式MV

もちろん、今回のHi-STANDARDの「Our Song」とは別の楽曲だ。それでも、18年の時を経て、難波が再び同じタイトルの曲を歌っているというのは、なかなか興味深い。

そして、今回の「Our Song」には、今の難波さん自身の思いが込められている。

2025年12月のORICON NEWSのインタビューで難波さんは、今は会えていなくても、遠く離れていてもつながっている人たちに向けて歌った曲だと語っている。

ハイスタを聴いてきた人たちも、それぞれに歳を重ね、生活が変わってきた。若い頃に聴いた音楽を、今も同じように好きでいる。その一方で、歌を受け止める自分の側には、当時とは違う経験が増えている。

いろいろな時間を経て、それでも新しい曲を作り、また演奏している。その姿と曲のメッセージが重なるから、前へ進もうとする歌にも説得力が生まれるのだと思う。

「Song About Fat Mike」と並んで、これからも聴いていきたい曲だ。


Moon|背景を知って、もう一度聴きたくなった

「Moon」は、ハイスタにありそうで、これまでなかったような曲調だ。少し新しいハイスタを感じる。グルーヴの作り方は、さすがだと思った。

サビなどで、ボーカルが少し掛け合いのように聴こえるところも耳に残る。テーマに対して、曲として重くなりすぎていないところがいい。

公式インタビューVol.02によると、難波さんがツネさんに向けて作った曲で、今回の制作過程で最初にできた曲でもあるという。

偶然にも、若い頃の3人がこたつに入って歌詞を書いた際、ツネさんも月を題材にしていたというエピソードが紹介されていた。新しい曲の背景に、ずっと前の何気なかった時間が重なっている。そのことも印象に残った。

あらためて歌詞を読むと、とてもユニークでありながら、自分たちに対する誇りと、呼びかけている相手がどれほど大きな存在だったのかが伝わってくる。

曲としての面白さがあり、その中に深い思いも込められている。今回、歌詞や制作背景を知って、もう一度じっくり聴きたくなった曲だ。

▶ Hi-STANDARD「Moon」をYouTubeで聴く


A Ha Ha|遊び心を、音楽と映像で楽しめる

4曲目の「A Ha Ha」は、楽曲もミュージックビデオも面白い。

テンポが変わる展開にも遊び心があって、最初の2曲とは違った楽しさがある。勢いよく聴いていたところへ、こういう曲が出てくるのも面白い。

Hi-STANDARD – A Ha Ha

2026年1月10日に公開されたMVも印象的だった。昭和のバラエティ番組を思わせる映像に、メンバーが銭湯で演奏する場面まで出てくる。

公式インタビューによれば、デモ段階の仮タイトルは「ドリフ」。難波さんは、ザ・ドリフターズの綿密に作られたユーモアを意識していたそうだ。

なるほど、あの映像の雰囲気にも納得がいく。

ハイスタには、こうした遊び心も似合う。勢いのある曲や、思いを込めた曲とともに、思わずニヤッとさせられるような曲もある。その幅が、とても楽しい。

新生ハイスタとして、楽しそうな映像を見せてくれることも含め、「A Ha Ha」は印象に残る曲になった。


Book Of Revelation|ハイスタが昔から親しんだ曲を、新体制で

5曲目の「Book Of Revelation」は、アメリカのパンクバンドThe Mr. T Experienceのカバーだ。

ハイスタのカバー曲には、原曲を調べる楽しみがある。自分も以前から気になって調べており、この曲を含め、当ブログの別記事にまとめている。

▶ Hi-STANDARDのカバー曲一覧|原曲・収録作品まとめ

今回、公式インタビューで知って面白かったのは、この曲が昔の3人にとってもなじみ深い曲だったことだ。

難波さん・Kenさん・ツネさんの3人は、かつて遊びでよくこの曲を演奏していたという。1990年代には、似たようなオリジナル曲を作ったものの、原曲に似すぎていたため取りやめたことまであったそうだ。

それほど好きだった曲が、ZAX加入後の新作に収録されている。

カバー曲を通して聴こえてくるのは、原曲の魅力と、ハイスタ自身が楽しんできた音楽の一端でもあるのだろう。そう思うと、選曲そのものがとても味わい深い。

今回のカバーで原曲を知った人がいれば、そこからThe Mr. T Experienceを聴くきっかけにもなる。ハイスタが好きだった音楽が、今の作品を通じて、また別の聴き手へ届いていく。

カバー曲の面白さを、改めて感じた一曲だった。

▶ Hi-STANDARD「Book Of Revelation」をYouTubeで聴く


Stand By Me|個人的な思いが、聴き手にも開かれている

作品を締めくくるのが「Stand By Me」だ。

この曲も、テーマに対して音楽が重くなりすぎていないところがいい。普通にカッコいい曲だし、特にギターソロはめちゃくちゃカッコいい。

公式インタビューVol.03でKenさんは、ツネさんへの自分なりの思いを出発点にしつつ、いろいろな人が自分自身の歌として受け止められる内容を書けたと語っている。

自分が歌詞から感じたのは、弱さと誇り、そして寂しさを抱えながらも先へ進んでいこうとする気持ちだった。同時に、大切な相手の居場所を、いつでも残しておくような思いも伝わってくる。

それがエモい演奏と重なって、「込もってるなぁ」と思った。歌詞を読んでから聴くと、演奏から受ける印象も深まる。

ツネさんへの思いから生まれた曲でありながら、聴き手もそれぞれの経験を重ねられる。一枚を通して聴くと、この曲がラストに置かれていることも、とても自然に感じられた。

▶ Hi-STANDARD「Stand By Me」をYouTubeで聴く


新作、ツアー、そして2026年の『EIGHT-JAM』へ

2025年9月の生配信以降、ハイスタの動きは目まぐるしかった。

新作の発売、その前後のミュージックビデオの公開、そして『Screaming Newborn Baby』を携えたツアー。新たな3人での活動が、次々と形になっていった。

さらに、2026年4月12日と19日には、テレビ朝日系『EIGHT-JAM』でHi-STANDARDの特集が2週に亘って放送され、話題となった。

メンバー3人で地上波番組のインタビューに出演する。これまでテレビへの出演が多くはなかったハイスタだけに、一ファンとしてはかなり記憶に残る出来事であった。

番組では、海外での活動やAIR JAMの歴史、活動休止と再始動、ZAX加入に至る経緯などが取り上げられた。

あのYouTube配信から約半年後、地上波でハイスタ特集まで組まれた。ZAXを迎えたハイスタの演奏を初めて見た日のことを思い出すと、その後の目まぐるしい展開に、改めて驚かされる。

CDだけでなく、演奏や映像、メンバー自身の言葉に触れる機会が増えていく。その中心に、新しい6曲がある。

『Screaming Newborn Baby』は、自分にとって、そうした一連の動きと結びついた作品でもある。


ハイスタに、好きな曲がまた増えた

Gibson SG ペルハムブルー スティラコ 横山健

新譜の中には、長年の音楽仲間や、昔から好きだった曲、一緒に過ごした時間まで繋がっている。それを知った上で改めて聴くと、この6曲にはまた違った味わいが生まれる。

そして嬉しかったのは、ハイスタの新曲を聴いて、また好きな曲が増えたことだ。

YouTubeの配信を見て驚き、台湾からCDを予約し、帰国してようやく聴いた。自分の生活の中にも、この作品にまつわる記憶ができた。

これから「Song About Fat Mike」を聴くたびに、初めてあの配信でこの曲を聴いた時のことも、ふと思い出すであろう。

あのサプライズ的な配信から、再び始まったハイスタにまつわる楽しみは、今も続いている。


参考資料


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南無P

最後までお読みいただきありがとうございました!

written by 南無パンクロック 

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